Share of Voice(AI露出シェア)の考え方
AIのShare of Voiceとは何か
AIのShare of Voice(露出シェア)とは、ある質問群へのAIの回答の中で、自社が競合と比べてどれだけ言及・引用されたかを示す相対的な割合です。自社が何回登場したかという絶対数だけでなく、市場の中でどれだけの取り分を占めたかを見る指標になります。
「登場したかどうか」だけ見ていれば足りる、と考えるのは危険です。AIの回答は数が限られるため、誰かが多く引用されれば、その分ほかが押し出されます。だから絶対数ではなく、競合比のシェアで捉える必要があります。
なぜ絶対数ではなくシェアで見るのか
AIの言及は上位ブランドに極端に集中します。これが勝者総取りと呼ばれる力学です。
Similarwebの2026年のGenAI Brand Visibility Indexでは、消費家電カテゴリでAppleの言及シェアが54.38%に達し、回答の半分以上に登場していました(tryanalyze, 2026)。同じ調査では、ウェブ言及で下位50%に沈むブランドは、AIの回答にほぼ登場しないと報告されています。登場するかどうかの二択で見ると「うちも何回か出ている」で安心してしまいますが、シェアで見ると上位との差が桁違いだと分かります。
この集中の背景には、AIが引用先を選ぶときに第三者からの言及量を重く見る傾向があります。Ahrefsの75,000ブランド研究では、AI Overview可視性と最も強く相関したのはブランドのウェブ言及(相関0.664)でした(Ahrefs, 2025)。ただしこれは相関であって、言及を増やせば必ず引用が増えるという因果ではありません。
Share of Voiceをどう測り、どう使うか
まず、自社が出たい質問群を固定します。「◯◯ おすすめ」「◯◯ 比較」のような高インテントなクエリをそろえ、複数のAIで実行して、回答内に自社と競合がそれぞれ何回登場・引用されたかを数えます。そのうえで、自社の登場数を競合との合計で割れば、露出シェアが出ます。
シェアで見ると、打ち手の優先順位が変わります。すでに上位なら、文脈の正確さや引用の質を守る方向。下位なら、まず言及の総量を増やす(第三者に語られる実体をつくる)方向です。引用は2候補から選ばれる競争だという前提はLLMに引用されやすいコンテンツとはで扱っています。
なお、1つのAIだけでシェアを測っても全体像は掴めません。エンジン間で引用元が大きく違うため、複数面の横断計測が要ります。理由は1つのAIだけ見ても足りない・横断計測に、可視性から引用・競合までの測り方の階層はAI可視性・引用率の測り方にまとめました。
本記事のシェア数値は調査時点・カテゴリ依存です。Geo Indexは競合比のShare of Voiceを29指標の一部として計測します。
参考文献
- tryanalyze. "GenAI Brand Visibility Index(Similarweb 2026)." 2026. https://www.tryanalyze.ai/blog/ai-overview-brand-correlation
- Ahrefs. "AI Overview ブランド相関研究(75,000ブランド)." 2025. https://ahrefs.com/blog/ai-overview-brand-correlation/